はじめに
バランスのよい食事は大切とはわかっていても、バランスのよい食事って何だろう?と考えることが多いのではないでしょうか。「バランスのよい食事とは何か、なぜバランスのよい食事が大切か」についてまとめます。
知ってますか、PFCバランス
エネルギーを生み出す栄養素は、私たちの体内で1gあたり、タンパク質(P)が4kcal、脂質(F)が9kcal、炭水化物(C)が4kcalのエネルギーに変わります。食べもののエネルギーは、主に各栄養素の重さ(g)をそれぞれのエネルギー(kcal)に置き換えた数字を掛け算した値の合計です。PFC(ピー・エフ・シー)バランスとは、エネルギーを生み出す栄養素のタンパク質(P):脂質(F):炭水化物(C)の黄金比率のことです。理想的なPFCバランスは、タンパク質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%になります(図1)。
図1
バランスを整えるコツ
バランスのよい食事のコツとして様々な方法が提唱されていますが、ここでは「3色食品群」を紹介します。「3色食品群」とは、食べものに含まれる栄養素の働き方によって、「赤色の食品」「黄色の食品」「緑色の食品」の3つに分類したものです。「赤色の食品」は、肉、魚、卵、大豆、牛乳などで「体のもとになる食品」、「黄色の食品」はお米、パン、めん類、イモ類、砂糖、油などで「エネルギーのもとになる食品」、「緑色の食品」は野菜、果物や海藻(かいそう)などで「体の調子を整えるもとになる食品」です(表1)。
表1
3色食品群 | ||
赤 | 黄 | 緑 |
主にタンパク質を含み、血液・筋肉・歯や骨など体を構成源になる食品 | 脂質・炭水化物を含み、体温、身体活動、思考、内臓機能などのエネルギー源になる食品 | ビタミン・ミネラルを含み、体の調子を整え、たんぱく質や脂質・炭水化物の代謝に必須となる食品 |
魚・肉・豆類・卵・乳類・小魚など | 穀類(お米、パン、麺類など)・砂糖・油・芋類・ドレッシング・マーガリン・マヨネーズなど | 緑色野菜(ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、トマト)・淡色野菜(キャベツ、玉ねぎ、きうり)・果物・きのこなど |
例えば、バターとイチゴジャムをぬったトースト1枚、目玉焼き1皿とコーヒー1杯の朝ごはんをみてみましょう。「黄色の食品」と「赤色の食品」2色食品になります。この朝ごはんに野菜サラダ、リンゴなどの「緑色の食品」からも何かを食べると、赤・黄・緑の3色食品群がそろいます。みなさんも3色食品群を活用して食事のバランスを整えてはいかがでしょうか。
忘れないで、減塩
家庭での食塩摂取量が多いと、将来その家族が脳卒中や心臓病など心臓血管病を発症するリスクが高まります。したがって、普段から減塩に取り組むことはとても大切です。せっかく、PFCバランスをよくしても、食塩摂取量が多くなると、食事バランスのよさが減弱してしまいます。
さて、大人の1日の食塩摂取量の目標は何gかご存知でしょうか?正解は、男性7.0g未満、女子6.5g未満です。ところで、私たちはどれくらいの食塩をとっているのでしょうか。厚生労働省の令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」によると、食塩摂取量の平均値は10.1gであり、男性10.9g、女性9.3g でした。また、平成28年(2016)「国民健康・栄養調査」の都道府県別の食塩摂取量をみてみると、沖縄県の男性9.1g、女性8.0gで、全国一食塩摂取量が低いことが示されています。しかし、沖縄県民の食塩摂取量は、男女とも目標値をいまだに上回っている状況にあります。食事バランスだけでなく、是非、減塩にも取り組んでいきましょう。
おわりに
バランスのよい食事とは何か、バランスを整えるコツについてまとめました。私たち現代人の食生活は、糖質・脂質・食塩のとりすぎ、野菜不足にシフトしています。簡単に使える3色食品群をつかって、食事のバランスを整えることをはじめませんか。そして、食塩のとりすぎにも注意しましょう。みなさんの健康は、毎日の食生活が支えているのですから。
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